銀座にある会員制のバーで、感動するほどおいしいハイボールに出会った。
香りも、口当たりも、炭酸の感じ方も印象に残っている。なかでも驚いたのは、飲み終わりの味と香りだった。氷が溶けてきた最後のほうまで、ちゃんとおいしい。
家でも、あの一杯に少し近づけたら。
それがきっかけで、グラスや氷を扱う道具をそろえ、注ぎ方も変えた。バーとまったく同じにはならない。それでも、家で飲む一杯としては、十分に満足できるものになった。
ソーダ、ウイスキー、もう一度ソーダ
そのバーで印象に残ったのは、注ぐ順番だった。
ソーダ → ウイスキー → ソーダ。
ソーダを先に入れ、そのあとにウイスキーを注ぎ、最後にもう一度ソーダを加える。ウイスキーを、ソーダで挟むような順番だ。
理由については、バーテンダーから「科学の話」と聞いた。ただ、細かな理屈までは聞ききれなかった。
だから、この順番の効果を理論で説明することはできない。確かに覚えているのは、その手順で作られた一杯が、とてもおいしかったということだ。まずは家でも、同じ順番を取り入れてみることにした。
もちろん、あの味は注ぐ順番だけでできているわけではないと思う。バーの一杯には技術が詰まっている。そのすべてを再現するのではなく、自分で取り入れられるところから始めた。
普段のグラスは、うすはりの510ml
使っているのは、松徳硝子の「うすはり タンブラー LL」。容量は510mlだ。
気に入っているのは、口当たり。ハイボールを飲んだとき、このグラスだと口に触れる感じが違う。道具をそろえたなかでも、ここは実感が大きい。

大きめのグラスなので、ウイスキーは基本60ml。メジャーカップの30mlを2回分入れている。
度数の低いウイスキーを使うときは、65mlくらいまで少し増やすこともある。細かな計算で調整しているわけではなく、気持ち多めに、という程度だ。
量る道具と、氷を割る道具

グラスのほかにそろえたのは、メジャーカップ、アイスピック、アイスナイフ、珪藻土のコースター。
メジャーカップは、燕三条のナガオ製。30mlと60mlを量れるステンレスのもので、購入価格は2,490円だった。
60ml側もあるけれど、普段は30mlを2回使っている。炭酸水は目分量でも、ウイスキーの量はこれを基準にしている。
氷は、家でジップロックに濾過水を入れて凍らせている。それを貝印のアイスピックで、グラスに入る大きさに割る。大きな氷を1個だけ入れるのではなく、割った氷を複数個使う。
ときどき、アイスナイフでも形を整える。こちらの購入価格は3,999円。毎回必ず使うわけではなく、必要なときに取り出す道具だ。
メジャーカップや氷を扱う道具は、2026年の夏から秋にかけてAmazonで購入した。記載した金額は、そのときの購入価格になる。
自宅では、こんな順番で作っている
ここからは、うすはりの510mlで作るときの手順。ソーダの総量は量っていないので、きっちりした比率のレシピというより、普段の作り方の記録だ。
1.氷と少量の水でグラスを冷やす
グラスに氷を入れ、少し水を加えてステアする。マドラーで混ぜながら、しっかり冷やす。
冷えたら、入れた水も、氷が溶けて出た水も捨てる。氷を残して、ソーダを注ぐ準備をする。

2.グラスを傾け、ソーダを先に注ぐ
グラスを傾けて、氷に直接当たらないように炭酸水を注ぐ。
最初の量は、グラスの3分の1くらい。ここは量っていない。あとから注ぐウイスキーが、上下のソーダの間に来るようなイメージで入れている。

3.ウイスキーを30mlずつ、2回注ぐ
メジャーカップで30mlを量り、2回に分けて注ぐ。基本は合計60mlだ。
度数が低いものは、気持ち多めの65mlくらいにすることもある。これは自分用の目安で、細かな計算で量をそろえているわけではない。

4.もう一度ソーダを注ぐ
最後にソーダを足し、グラスの縁から2〜3cm下くらいまで入れる。
氷が入った状態で、この高さを目安にしている。最初と最後に入れるソーダの割合も、細かく決めているわけではない。
5.氷を少し持ち上げながら、マドラーを抜く
仕上げは、ほんの少しだけ混ざるように。氷を軽く持ち上げながら、そのままマドラーを抜く。
ぐるぐるとかき混ぜるのではなく、それくらいで完成だ。

ウイスキーの量には基準があるけれど、ソーダの量や最後の混ぜ方には、感覚的な部分も残っている。それでも、飲んでみると、やっぱりうまい。いまの自分には、これで十分に満足できる。
炭酸水は、今のところ手頃なものを
使っている炭酸水は、「伊藤園 ミネラルストロング」と「by Amazon 強炭酸水」。
ウイスキーとの相性で使い分けているわけではなく、価格が手頃だから買っている。いまの選び方は、それくらいシンプルだ。
炭酸水は、これからもう少し試してみたい。瓶入りのものにも興味がある。グラスや注ぎ方を変えた次は、炭酸水を選ぶ楽しみもありそうだ。

手元にあるウイスキーは、知多、余市、富士 シングルモルト、アードベッグ10年、シングルトン ダフタウン15年。写真に写っているのは、そのうちの4本だ。
気に入ったグラスで、ウイスキーを量り、あのバーで出会った順番で注ぐ。ボトルだけでなく、そのまわりの道具や作り方も含めて、家のハイボールを楽しんでいる。
バーにはバーの一杯。家には家の一杯
家で作ったハイボールが、バーと同じになったとは思っていない。あの一杯には、自分には再現しきれない技術がある。
ただ、家で飲む一杯にしては、十分にクオリティが高い。いまの仕上がりには、とても満足している。
バーに行く楽しみは、そのままある。それとは別に、出かけない日にも、自宅で満足できる一杯がある。
うすはりのグラスを用意して、氷と少しの水で冷やす。水を捨てたら、ソーダ、ウイスキー、もう一度ソーダ。
銀座で出会った一杯をきっかけに、家で飲むハイボールも楽しみになった。

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